寒さが厳しくなり、日本酒が恋しい季節になってきました。
千葉県は現在40の酒蔵が存在し、日本酒作りが盛んな県の1つです。
千葉の日本酒造りは歴史が古く、製造が開始されたのは1624年の寛永年間。
その後幕府の酒税制度によって、房総(安房・上総・下総)で酒造が多く作られるようになり、明治33年には酒造の数が237軒に達しました。
現在は40軒ですが、それぞれの酒蔵に個性的な特徴があり、自分の好みに応じてピッタリの地酒をセレクト可能。
今回は、千葉県内にある40の酒造のそれぞれの地酒の特徴や味わい、ユニークなポイントをご紹介します。
◆こだわり
千葉県鴨川市の老舗酒造。日本で唯一、明治神宮に奉納するお酒を造っている会社です。伝統を重んじた酒造りが行われており、「戦国のアルカディア」プロジェクトで千葉県代表の地酒としても選定されています。
代表的な銘柄である寿萬亀は、スッキリと飲みやすい味わい。食中酒として、魚料理などのお供に最適です。
◆こだわり
水にこだわり抜いたお酒造りを続けている、秀楽酒造。その理由は、“鴨川で一番おいしい湧き水”が得られる場所に酒造を構えているため。
蔵の規模は小さめですが、こだわり抜いた水で職人が丹精込めて造っており、一度飲んだらリピーターになる方も少なくありません。
なめらかで飲みやすい口当たりが特徴です。
◆こだわり
約400年前から千葉県長柄郡でお酒を造り続ける歴史ある酒蔵。手作りにこだわり、お酒本来のおいしさを追求しています。
おすすめ銘柄の絆は、特別純米酒で八反錦60%精米。甘い醤油のような香りが特徴で、口に含むと酸味と甘みが広がり、後味はピリッとした辛みに変わります。
◆こだわり
勝浦市に根付く蔵元。夷隅川の源流地域に位置しており、良質な水に恵まれています。
おすすめ銘柄の腰古井は、ほんのり広がるフルーティな甘みと、柑橘系の渋みが特徴的。
スッキリと飲みやすく、食中酒としても美味しくいただけます。
◆こだわり
勝浦市の老舗蔵元。自然豊かな立地で昔ながらの製法で造られるお酒は、深みのある豊な香りが味わえます。
おすすめ銘柄の鳴海は、絞り機から直接詰めて造られており、微炭酸を含むのが特徴的。ほんのりと酸味が効いたキレのある味わいで、山菜料理などに合うでしょう。
◆こだわり
夷隅郡大多喜駅のほど近くに位置する、伝統ある酒蔵。登録有形文化財に登録された建物であるため、お酒を買いに行った際は、外観や内装にも注目してみると良いでしょう。
代表銘柄の大多喜城は、全国新酒艦評価会で2度金賞を受賞。千葉だけでなく、全国にも認められたその味を、ぜひ一度味わってみてください。
◆こだわり
いすみ市に古くから根付く酒蔵です。
天然の生の乳酸菌を用いて高温で酒母を仕込む「高温山廃酛」や、添加物・農薬を一切使わないこだわり抜いた製法が特徴。味わい深くキレのある、極上の旨味を楽しめます。
◆こだわり
御宿海岸の程近くに位置しており、硬度が高く、カルシウムなどが多く含まれているのが特徴。米の旨味を引き出す製法でお酒造りを続けています。
濃厚ながら、スッキリとした後味で、海鮮類はもちろん、味の濃い料理の食中酒としても楽しめます。
◆こだわり
南房総市千倉町で明治29年から日本酒を製造する歴史ある酒造です。現在は製造を休止中となっています。代表銘柄は富泉。
◆こだわり
千葉県佐原に根付き、1825年から続く歴史ある酒蔵。水郷地地域の良質な水を活かした酒造りを続けています。
おすすめ商品である大吟醸 叶は、なんと全国新酒鑑評会で16回金賞を受賞。味や香りなどの全てのバランスがよく、日本酒好きなら1度は試していただきたい商品です。
◆こだわり
約300年、清酒とみりんの製造を続ける超老舗。古くからある製法を維持しながらも、新しい形のオリジナルのお酒造りにも挑戦しています。
おすすめの銘柄である大吟醸 海舟散人は、最上級のお米、兵庫県産の山田錦を100%使用。フルーティでスッキリとした、奥深い味わいが特徴です。
◆こだわり
300年以上の歴史を持つ千葉県きっての老舗蔵元。無農薬・無添加・生もと造りなど寺田本家の独自の哲学に基づいて、お酒造りを行っています。
おすすめ銘柄の五人娘は、名前からは予想外な、ドライでピリッとした辛口。辛口好きな方におすすめのお酒です。
◆こだわり
日本酒の専門店に向けての製品「不動シリーズ」などが有名。
口に含むとフルーティな香りが広がるものの、時間が経つと苦味や辛味へと変わり、後味はスッキリしています。非常に飲みやすいため、グビグビと飲めてしまうのが特徴。
老舗ながら、平成9年から自社スタッフのみでの酒造りを行っており、徹底した品質へのこだわりが魅力です。
◆こだわり
もともとは米問屋を営んでいた場所で、明治10年に創業された飯田本家。米作りが盛んなエリアであるため、古くから酒造りが盛んでした。
時代の流れと共に他の酒造は店を畳み、今や残されたのは飯田本家のみ。“コクのある飲みごたえのある酒質”が特徴です。
代表的な銘柄は、市内にある大宮神社、姫宮神社の頭文字をとった、大姫です。
◆こだわり
関東の最東端に位置する酒蔵。丁寧なお酒造りをを行っており、銚子を代表する酒蔵の1つです。
市内の中心エリアに立派な石造りの蔵を構えており、賑やかな街中でそこだけ趣のある不思議な空気を放っています。
代表銘柄である銚子の誉は、軽い酸味と辛みが特徴的で、スッキリと飲みやすい味わいです。
◆こだわり
明治7年に創業された小林酒造場。品質第一をモットーに、120年以上丁寧な酒造りを続けています。
人気銘柄祥兆は程よい甘みと辛みが呼びやすいと評判。幸運お兆しを意味した縁起の良い名前とされ、地元民から愛されています。
◆こだわり
創業から140年で経営者の飯田耕一郎さんがなくなり、一昨年に廃業。残ったお酒を売りつくし次第、飲むことができなくなるまさに“幻のお酒”です。2018年11月現在は購入することができます。
◆こだわり
自社の田んぼで育てた米を使用し、丁寧な酒造りを行う宮崎本家。
人気銘柄は富士乃友で、“一度出会ったら人生にずっと付き合っていく友達のような存在のお酒になるように”と命名されました。まろやかな味わいが特徴です。
◆こだわり
酒蔵がある横芝光町篠本は、良質な水が流れる地。その水で作られた清酒は、他の水に比べてじっくりと日にちをかけて作られるため、きれいな味と高い香りが特徴です。
代表的な銘柄光鬼舞は、地元産のコシヒカリを60%精米して造られており、原材料からこだわった、丁寧な味を楽しむことができます。
◆こだわり
1985年に2つの会社が合併してできた比較的新しい酒蔵。高品質なお酒造りを目指してお酒造りに取り組んでいます。
まったりとした辛口が特徴で、地魚料理のお供に最適です。
◆こだわり
明治26年創業の歴史ある酒蔵です。おすすめの銘柄は舞桜。
関東圏最大級の冷蔵蔵で、千葉県産のお米にこだわった丁寧な酒造りを行なっています。
名前入りのオリジナル酒の販売サービスなども行なっているので、贈り物として選ぶのも良いでしょう。
◆こだわり
130年以上の歴史ある九十九里を代表する酒蔵。日本酒だけではなく、焼酎やオリジナルのラガービールなども造っています。
品質管理の徹底やこだわりの素材で作られた地酒は香り高く、旨味が強いのが特徴です。
◆こだわり
千葉県山武市に根ずく老舗の酒蔵です。
おすすめの銘柄は、敷地内の井戸から湧き出る良質な水で作られた花いちもんめ。
上品な香りの優しい味わいが特徴です。熱燗としても美味しくいただけるので、冬の晩酌に最適です。
◆こだわり
九十九里にある山武市姫島にある老舗蔵元。東条酒造の「東」、地名から「姫」を取ってつけられた東姫がおすすめの銘柄です。
甘口でスッキリとした味わいなので、辛口が苦手な方におすすめです。
◆こだわり
上総丘陵から湧き出す良質な水を使って、伝統製法でお酒を造り続ける酒蔵。
パッケージがPOPで華やかなものが多いのも特徴です。
とくに、おすすめ商品の春の宴のパッケージは和紙で作られており、女将さんの手作り。味だけでなく、見た目も楽しめるお酒です。
◆こだわり
伝統を重んじながら、最新の設備も導入し常に最高品質を目指す君津市を代表する酒蔵。
フルーティーな甘みとやわらかな口当たりが特徴で、オリジナルのお酒造り(OEM)も受け付けています。
おすすめの銘柄、天乃原はどっしりとした、コクのある味わいです。
◆こだわり
水の町としても名高い君津市の城下町、久留里にある酒蔵。
キレ味と旨味が特徴で、おすすめはふしぎな竹酒です。
穴も栓もない竹の容器にお酒が入っている様は、なんともふしぎ。お土産などに買って行けば、喜ばれること間違いなしでしょう。
◆こだわり
久留里の名水を活かした酒造りを続けている老舗の酒蔵。米の旨味が口の中に広がるのが特徴で、全国新酒鑑評会において金賞を7回受賞しています。
おすすめ商品の福祝(山田綿50)は、甘口で軽い味わい。とても飲みやすいので、日本酒にあまり強くないという方にもおすすめです。
◆こだわり
上層で約130年間伝統の製法を続ける酒蔵。
越後杜氏が一本一本魂を込めて丁寧に作るお酒は、品の良い香りが楽しめます。
代表銘柄である飛鶴は、コク・キレがありながらも、柔らかいのど越しも感じられる丁寧な味わいです。
◆こだわり
君津市にある酒蔵で、伝統的な製法を守り続けています。
食中酒として飲んでもらうことを念頭に造られているため、食事と一緒に楽しむことで、逆に料理美味しさを最大限に引き出す働きをしてくれるそう。
代表的な銘柄の鹿野山は、すっきりとしたやや辛口な味わいが人気です。
◆こだわり
自社の田んぼで育った米を使い、水や麹などの素材にこだわり抜いた酒造りを続ける酒蔵です。
おすすめ商品である大吟醸 東魁盛は、平成29年度の全国新酒鑑評会で金賞を受賞。
小泉酒造の中で最高級のお酒で、口に含んだ瞬間、メロンを連想させるフルーティな香りが広がります。
◆こだわり
富津市竹岡に構えた、140年以上の歴史ある老舗酒蔵。
米と水にこだわった手作業での酒造りを続けています。
おすすめ銘柄は聖泉(せいせん)。料理の邪魔をしない、食中酒として親しまれています。
◆こだわり
飯沼本家(いいぬまほんけ)は300年以上の愛され続ける甲子正宗(きのえねまさむね)を中心に、常に「時代の先」を行く酒造りを行なっています。
和食とのマリアージュを考えて造られているこだわりのお酒は、食中酒にピッタリ。
若い人でも飲みやすい、時代と共に変わりゆく味を楽しむことができます。
◆こだわり
成田山近くに蔵酒を構える滝沢本店は、成田山のお坊さんに祈祷するお酒を造っています。
健康・長寿や合格祈願など、メッセージと気持ちを込めたプレゼントを贈る時におすすめの酒造。
おすすめ銘柄の長命泉は、スッキリと飲みやすく、上質な香りが楽しめます。
◆こだわり
都心から1時間でアクセス可能な、佐倉に構える旭鶴。1830年創業の歴史ある酒造です。
千葉県産のお米を使用し、こだわりの製法を続けています。
おすすめ商品である旭鶴 佐藤米は、山田錦100%。心地良い苦味と共に、千葉のお米の甘みを感じることができるお酒です。
◆こだわり
1872年に創業。利根運河沿いに蔵があり、良水に恵まれた環境で品質の高いお酒造りをしています。
代表的な銘柄は勝鹿。ピリッとした辛口を楽しめる本醸造生原酒は、寒い時期におすすめです。
◆こだわり
「松竹梅」やスパークリング清酒「澪」など言わずとしれた日本を代表するお酒メーカー、宝酒造。
千葉県松戸市に工場を構えており、様々なお酒を造っています。
清酒は原料・水・造り方の全てにおいてこだわり抜かれて製造されており、代表商品は松竹梅です。
◆こだわり
日本の大手酒造メーカー、オノエングループ。松戸に酒蔵(工場)があります。リーズナブルなものから高価なものまで幅広く取り揃えているのが大きな魅力。
代表商品に鍛高譚などがあります。日本酒も、大吟醸・吟醸・純米吟醸・純米・本醸造・普通酒・生酒・生貯蔵酒・にごり酒など様々な種類を製造しています。
◆こだわり
醤油や調味料のイメージが強いキッコーマン。しかし、ワインや梅酒なども取り扱っており、料理酒として清酒の製造も行なっています。
100%国産の米を使用し、食塩無添加。安心・安全の料理酒です。
◆こだわり
日本最大のウヰスキーブランド、ニッカウヰスキ。千葉県柏市ににウイスキー・缶チューハイなど総合的にパッケージングをしている工場があります。
千葉県産のお米を100%使用したものや、名水を使用したものなど、その土地ならではの味を楽しめる地酒。
40軒の酒蔵を持つ千葉県では、様々なエリアで地酒に出会うことができます。
ひとつひとつ丁寧に造られた、それぞれの旨みがあるので、旅行に訪れた際は自分好みの1本をみつけてみましょう。
また、今回紹介した地酒は、通販や千葉県のセレクトショップなどでも購入することができます。
日本酒を嗜んで、肌寒い季節を体の内から温めてみてはいかがでしょうか。